高付加価値化のために重要な技能と伝承していくべき技能の選定方法


月刊「研究開発マネジメント」1997年1月号(アーバンプロデュース刊)
特集『技術・技能の伝承』掲載論文

abstract

  1. 本稿ではまず、わが国製造業が付加価値の高い製品づくりを行っていくためにはどのような技能が重要なのかを明らかにした。次いで、それぞれの会社が自社の「戦略技能」を選出するための方法を提示した。
  2. わが国製造業の高付加価値化のために重要な技能としては、(1)高精度の部品・工作機械を製造するための高度熟練技能、(2)技術化が困難な高度熟練技能や熟練に多くの年数を要する高度熟練技能、がある。
  3. 自社の「戦略技能」を伝承していく方法は、技能マップの作成、技能評価マトリックスによる評価、戦略技能の選定、伝承対策の立案、対策への重点投資と対策の実施、といった一連のステップを実施していくことであろう。技能評価マトリックスによる評価は、現在の状況だけでなく、将来の状況も見る必要がある。こうして得られた評価は、完全に定量的とまではいかないものの、戦略技能に対して経営資源を重点的に配分するための、全社的な理解の形成に役立つであろう。


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