ホームページのユーザビリティ・チェックリストに関する一考察

平成８年度日本人間工学会関東支部大会　一般講演（発表）

１．目的

　ここ数年のインターネットの普及にはめざましいものがある。中でも「ホームページ」（正しくはWeb Page）は、比較的容易に作成でき、全世界に直接情報発信できる手段として、個人から企業まで、広く人気を集めている。
　ホームページは、HTMLと呼ばれる言語を用いて作成することができ、その解説も多数出版あるいはインターネット上でも提供されている。しかしそれらのほとんどはHTMLの文法あるいは技術について解説したものであり、見やすさ・使いやすさなどのユーザビリティについて触れているものはほとんどない。その結果、世の中にあるホームページの中には、アクセスした際にユーザーが操作に戸惑い、結局必要な情報を入手できなかったり、情報入手に時間がかかったりする場合も見受けられる。
　個人が趣味的に作成する場合と違い、企業や公的機関が一般への情報公開を目的としてホームページを公開する場合は、できるだけ使いやすいものであることが望まれる。そこで本研究では、ユーザビリティの高いホームページとするためのチェックリストについて考察を行った。

２．方法

　既存のユーザーインタフェース・ガイドライン及びホームページ作成解説等を広く収集し、その中からユーザビリティに関連のある項目を抽出・整理した。
　なおＧＵＩの１つとして見た場合、ホームページは見る人の計算機環境によって見え方が異なるということが最大の特徴としてあげられる。これはHTMLでは基本的に「文章の構造」のみを既定しており、実際の見え方はHTMLを解釈するソフトである「ブラウザ」に依存していることによる。チェックリスト作成にあたっては、この点について特に配慮した。

３．結果

　作成したチェックリストを表１（前画面）に示す。
　このチェックリストは、「わかりやすいホームページを目指す」という作成方針の際に使われることを意図したものであり、ホームページの企画・設計・評価の各段階で適用されることが望ましい。

４．今後の課題

　表１で△の項目については、今後実験的検討などにより、妥当性を検証する必要がある。またこの分野は非常に技術の進歩が早く、それに対応してチェックリストも改訂していくことが求められる。

【参考文献・サイト】

1)小松原明哲：対話型システムの認知人間工学設計、技報堂出版、1992
2)Ｓ．ラブデン、Ｇ．ジョンソン（小松原明哲訳）、ユーザインタフェイスの実践的評価法、海文堂　出版、1993
3)日本人間工学会アーゴデザイン部会スクリーンデザイン研究会編、GUIデザイン・ガイドブック、海文堂出版、1995
4)すずきひろのぶ、一歩進んだWebページを作ろう！　Lesson１～６、Software Design、３月号～８月号、1996
5)宮尾元久、Webで学ぶホームページ作成法、海文堂出版、1996
6)“Sun On the Net Guide to Web Style" 、http://www.sun.com/styleguide/

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